なるほど!耐震診断、改装・改築のギモンを一級建築士がお答えします(2)

昭和56 年より後に家を建てたから地震には大丈夫?


昭和56年降り前に前に建てた家の耐震診断・耐震補強には補助金が出るって聞いたけど…

— 香川在住・70代ご夫婦

「耐震基準がどのように変わっていったか説明いたします。」

トッププロダクト マモルさん

【旧耐震基準】昭和56 年(1981 年) より前に建てた家について教えてください。

一応、震度5までは耐えられる構造を指導されていましたが、法的拘束力は無くほとんど耐震( 構造計算) の事は考えずに大工さんが建てていましたから、不安な建物がかなり多いと思います。

【新耐震基準】昭和56 年 ~平成12 年 の間に建てた家について教えてください。

1981年~2000年までの間に建てられた家は、

宮城県沖大震災の甚大な影響により、震度6 強程度の大地震であっても倒壊・脱落して人が押しつぶされない程度になる構造を指導されました。しかしまだこの時期、構造計算はその家を設計した人( 大工さん・工務店) の判断で計算しており、法的拘束力も無く、充分な計算がなされないままに建てられた家も多いと思います。

【新新耐震基準】平成12 年(2000 年) ~現在の間に建てた家について教えてください。

上記のとおり、年を追う毎に設計基準が厳しくなり、建物がしっかりとして来ているのがわかると思います。
ただ何度も書きますが、その耐震基準の設計にたいして、法的拘束力がない為(4号特例)、十分な耐震構造が確保出来ているかは確信が持てません。
(2009年以降の建物は瑕疵担保責任(かしたんぽ)保険義務化により、第三者機関の検査が必至となった為、安全だと言えます)

旧・新・新新耐震基準のまとめ

2009年までの家は、設計士による構造計算がされているか、いないかの判別はだれもなされていない為、耐震診断をしないと適否はわかりません。
ただ言えるのは、年々建物が丈夫になって来ているのは事実で、たとえ耐震改修が必要となってもそれにかかる費用は、昭和56年以前に建てた家よりも、簡単で費用が安くなるとおもわれます。